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高齢者への虐待、過去最多

ケアワーカースクール代表、介護福祉士受験対策講師の佐藤です(*^^*)


厚生労働省は、65歳以上の高齢者に対する虐待の件数が、過去最多の1万7588件にのぼったと明らかにしました。



介護職員が加害者となったケースが510件、親族や同居人などが加害者となったケースが1万7078件。

ともにこれまでで最多で、相談・通報の総数も3万1938件で最多だったそうです。


社会の意識が高まって高齢者虐待に対して敏感になっているからこそ、掘り起こされるケースも増加しているでしょうし、ストレスや介護疲れ、介護現場の人手不足なども背景にあるでしょう。


介護職員が加害者となったケースをみると、やはり特養が最も多く、次いで有料老人ホームやグループホームといった施設・居住系での発生が目立っているそうです。


虐待を受けた高齢者は約7割が女性で、認知症の症状が深刻化しているなど、状態の重い人ほど被害を受けやすい傾向にあることも報告されています。


虐待が起きた要因では、「教育・知識・介護技術などに関する問題」が60.1%で最多。

以下、「職員のストレスや感情コントロールの問題」が26.4%、「倫理観や理念の欠如」が11.5%、「人員不足や人員配置の問題、関連する多忙さ」が7.5%などと続いています。

虐待をした介護職員の54.9%が男性。


虐待に関する問題は、通報されていないケースも考えると非常に多いのではないかと思います。

実際に、虐待と安全の確保やケアの一貫といった線引きが難しいケースもありますよね。


そこで大切になるのが施設職員全体の風通しの良さや、介護職員の人間性(倫理観の欠如)なのではないでしょうか。

あらゆる最善策を自由に試行錯誤できる環境づくりが重要です。


虐待(もしくは制限)をすることで、症状が悪化し、ケアが大変になるという悪循環を職員自ら作り出し、『大変だ』『忙しい』という状況は非常に多いです。


技術はもちろんですが、高齢者虐待防止法について、虐待における心理の動向なども、根本から学び直す必要性があると思っています。

『虐待はダメなこと』といううわべだけを伝えるのではなく、今一度、各施設におかれましては、虐待に関する勉強会を実施していきましょう。


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